国際税務 コンサルティング
日系企業の海外市場進出、外資系企業の日本市場参入により、経済のグローバル化が進んでいますが、この国境を超えた取引は成熟し、多様化、複雑化しています。
このような現況の中で、各国は自国の利益や税収を守るべく、独自の税法により規制をかけています。
この規制を遵守しつつ、グローバルベースの税金費用を最小限に抑えるよう取組む業務が国際税務コンサルティングです。この国際税務コンサルティングは、海外子会社配当非課税制度、外国税額控除、過少資本税制、タックスヘイブン対策税制、移転価格税制等の国内税制に加え、租税条約並びに現地税制も考慮した取扱いについて検討いたします。
国際税務コンサルティングの必要性
過去、日系企業は揃って海外に事業を展開しましたが、その時点の事業活動、現地法(主として現地租税法)、国際法(主として、租税条約)の下では個別に適切であったことと思いますが、現在の事業活動及び現地法、国際法の下では当初の見込んでいた効果が発揮されていないか、投資活動が非効率となっていると考えられます。外資系企業につきましては、成熟化した日本市場において外国株主から事業活動以外のメリット(ここでは節税)を最大限に享受することが望まれています。
また、日系企業及び外資系企業は国際的な競争を勝ち抜くため、グループ全体の税金負担を含めて検討し、連結ベースでのを最終損益を最大化する必要があります。そのためには、グローバルベースでの税金費用を削減し、税務調査による追加の税金費用の発生を抑えるリスクマネジメントを実施することが有効となります。
このような経営環境の下、弊事務所の提供する国際税務コンサルティングは、日系企業及び外資系企業からの要求に十分にお応えできるサービスを提供します。サービスラインは、下記の税制を検討することととなっています。
国際税務コンサルティングのサービスライン
海外子会社配当益不算入制度
日本法人が持株比率25%以上の外国子会社から受取る配当等がある場合には、その配当等の額から配当に係る費用に相当する金額(配当等の額の5%)を控除した金額について、その日本法人の所得の金額の計算上益金不算入とする制度です。また、この配当に関して納付した外国法人税は日本法人の所得の計算上損金算入されることとなっています。これは、2009年度税制改正前に持株比率25%以上の外国子会社からの受取る配当等がある場合に、外国子会社が現地で支払った税額を日本法人の税額から控除することにより国際的な二重課税を排除していた制度(間接外国税額控除)と同様の趣旨から制定されたものです。
この制度は2009年4月1日以後開始する事業年度において、外国子会社から受取る配当から適用されますが、いくつか経過措置も定められています。
各国に渡る資本構成、ビジネスストラクチャ-の巧拙が連結ベースでの最終損益に重要な影響を与える可能性がありますが、この制度のメリットを享受する全世界資本構成にすることで連結ベースでの最終損益を増加させる余地があります。たとえば、下記のような資本構成の変更をすることにより配当による税金負担を軽減し、連結ベースの最終損益を増加させることができます。
ケース | (1)中国会社を 孫会社とする場合 |
(2)中国会社を直接の 子会社にする場合 |
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中国会社での状況 | ||
中国会社の税引後利益(税率:25%) | 1,000 | 1,000 |
中国での源泉税(源泉税率:10%)(B) | 100 | 100 |
アメリカでの状況 | ||
アメリカ子会社の受取配当(A) | 1,000 | – |
アメリカで発生する税金費用(税率:40%)(注1) | 100 | – |
アメリカ子会社の税引後利益(A-B-(注1)) | 800 | – |
アメリカでの源泉税(源泉税率:0%) | 0 | – |
日本での状況 | ||
日本親会社の受取配当 | 800 | 1,000 |
日本親会社での税金費用(税率:40%)(注2) | 16 | 20 |
日本親会社の税引後利益 | 784 | 880 |
連結ベースでの税金費用の負担 | 216 | 120 |
連結ベースでの税金費用の負担率 (配当による資金効率) |
21.6% (78.4%) |
12% (88%) |
(注1)間接税額控除を適用して追加税金費用を計算します(1,000/(1-25%)×(40%-25%)-100)。
(注2)海外子会社配当益金不算入制度を適用して計算します(800×0.05×40%、1,000×0.05×40%)。
(1)の場合は、中国で稼得した利益をアメリカに持ち込んでいるため、一旦アメリカで高税率の配当課税を受けてしまいます。
しかし、(2)の場合は、中国子会社で稼得した利益は直接日本に持ち帰っており、海外配当非課税制度のメリットを受けているため、追加の税負担はほとんど発生せず、利益の最大化を図ることができます。
外国税額控除制度
外国税額控除制度は、日本法人が外国で生じた利子、配当、使用料等に対して外国法人税を納付した場合、又は外国支店の所得に対して外国法人税を納付した場合、その外国法人税額を日本法人の法人税額等から控除する制度です(ただし、海外子会社配当益金不算入制度の適用を受けた配当に係る外国法人税等については適用されません。)。この制度は、日本の税制上、日本法人は全世界所得に対して申告することとなっているが、外国で発生した所得については外国で税金を課せられているため、この国際的な二重課税を排除するという趣旨で制定されたものです。
また、外国企業誘致など進出国の政策上の減免措置が採られていた場合には、租税条約に従い実際に支払った税額ではなく、減免措置がなかった時に納付していたであろう税額を支払ったものとみなして内国法人の法人税額等から控除する制度もあります。これらの税制特典も全て享受した上で、税金費用を削減することが望まれます。
過少資本税制
過少資本税制とは、原則として、外国親会社等からの日本子会社借入金が外国親会社の日本子会社に対する資本金持分の3倍までとし、この限度を超えた借入金に対して支払わる利子等は損金不算入として課税所得を計算する税制です。これは、日本子会社の資金調達方法を親会社からの出資に代えて、親会社からの借入とすることにより、損金不算入である配当金支払を支払利息として損金算入するという租税回避行為を防止する観点から設けられた制度です。
外資系企業について、日本における資金調達活動を効率化するため検討される場合、必ず検討すべきものとなっています。この制度の適用を間違えた場合、見込んだ投資効率を発揮できないこととなるため、資金調達方法を選択する前に、過少資本税制の適用を受けるかどうか検討する必要があります。
タックス・ヘイブン対策税制
タックス・ヘイブン対策税制とは、日本法人が税負担率20%以下の国に特定外国子会社等を有している場合、その特定外国子会社等の留保所得のうち親会社持分相当額を親会社である日本法人の所得と合算して、日本で法人税等の課税を受ける制度です。これは、日本法人が、いわゆるタックス・ヘイブン(非課税国、軽課税国)に子会社を設立し、この会社に意図的に所得移転を行うことにより、税負担の不当な軽減を図ることを防止する趣旨から制定されたものです。
この制度は2009年度税制改正があったところでもあり、適用関係並びに合算所得の算定について事前に検討しておく必要があります。
移転価格税制
移転価格税制とは、国内企業が50%以上の持株関係等を有する国外関連者との間で独立企業価格と乖離する価格で取引を行ったことにより、国内企業の所得が減少する場合、国外関連者以外の第三者との取引で使用される価格(独立企業間価格)で取引したものとみなして課税所得を計算する税制のことです。これは、国内企業がグループ内の国外関連者との間の取引価格の調整により意図的な所得配分による租税回避行為を防止し、課税の更正を確保するための制度として設けられたものです。
近年、この移転価格税制を基として税務調査による否認事例が増加していますが、この否認をによる税金費用の追加負担及び税務調査対応の時間又は労力の負担は膨大なものとなり、経営状態を圧迫することとなります。そこで、このリスクに対応する移転価格対応策を事前に検討し、税務調査による更正リスクを低減しておく必要があります。この更正リスク低減の方法の一つとしてあげられるのが、税務当局との間で事前に独立企業間価格の算定方法及びその内容を確認しておく制度(事前確認制度(AdvancePricing Arrengement))があります。
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