平野公認会計士・税理士事務所(大阪)

住宅貸付けに係る消費税非課税範囲の見直し(サ高住、有料老人ホーム)

税理士ブログ

非課税取引

消費税法別表第一に記載の「住宅の貸付けは、消費税を課さないこととなっており、非課税取引となっています(消費税法第6条)。

消費税法別表第一、十三号条文

住宅(人の居住の用に供する家屋又は家屋のうち人の居住の用に供する部分をいう。)の貸付け(当該貸付けに係る契約において人の居住の用に供することが明らかにされている場合(当該契約において当該貸付けに係る用途が明らかにされていない場合に当該貸付け等の状況からみて人の居住の用に供されていることが明らかな場合を含む。)に限るものとし、一時的に使用させる場合その他の政令で定める場合を除く。)

契約において居住の用に供することが明らかにされている場合

非課税

契約において居住の用に供することが明らかにされていない場合

ケース 課税、非課税区分
貸付け等の状況からみて人の居住の用に供されていることが明らかな場合
例えば、契約書に貸付けの用途が明らかにされていない場合で、下記のようなものが該当する(消費税法基本通達6-13-11)。
①住宅の賃借人が個人であって、住宅が人の居住の用に供されていないことを賃貸人が把握していない場合
②住宅の賃借人が当該住宅を第三者に転貸している場合であって、賃借人と入居者である転借人との間の契約において人の居住の用に供することが明らかにされている場合
③住宅の賃借人が当該住宅を第三者に転貸している場合であって、賃借人と入居者である転借人との間の契約において貸付けに係る用途が明らかにされていないが、転借人が個人であって、当該住宅が人の居住の用に供されていないことを賃貸人が把握していない場合
非課税
それ以外 課税

(注)用途が記載されていない場合の他、住宅の貸付けに係る契約において、住宅を居住用又は事業用どちらでも使用することができることとされている場合が、貸付けに係る用途が明らかにされていない場合に該当する(消費税法基本通達6-13-10)。

その他

①店舗、事務所、併設住宅

住宅と店舗又は事務所等の事業用施設が併設されている建物を一括して貸し付ける場合には、住宅として貸し付けた部分のみが非課税となります(消費税法基本通達6-13-5)。

②住宅の貸付けと役務提供が混同した契約

有料老人ホーム、ケア付住宅、食事付の貸間、食事付の寄宿舎等の個人向け取引において、一の契約で非課税となる住宅の貸付けと課税となる役務の提供を約している場合には、この契約に係る対価の額を住宅の貸付けに係る対価の額と役務の提供に係る対価の額に合理的に区分して、消費税の課税非課税判断します(消費税法6-13-6)。

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