原材料支給による課税売上高の計算
事業者が原材料等の支給を受けて加工等を行った場合の課税売上高に算入される国内において行った課税売上高は、原則として、次の通りとなります(消費税法基本通達1-4-3)。
なお、建設業も製造業と簡易課税の計算において同区分の第三種事業に該当することから同様の判断をします。
①製造販売契約の方式により原材料等の有償支給を受けている場合
課税売上高=加工等を行った製品の譲渡対価の額
②賃加工契約の方式により原材料等の無償支給を受けている場合
課税売上高=加工等に係る役務の提供の対価の額
よって、無償支給の場合においては、簡易課税の計算において第四種事業に該当することとなります。
有償支給の場合の課税売上高
事業者が外注先等に対して外注加工に係る原材料等を支給する場合において、その支給に係る対価を収受することとしているとき(「有償支給」)は、その原材料等の支給は、対価を得て行う資産の譲渡に該当します(消費税法基本通達5-2-16)。
ただし、有償支給の場合であっても事業者がその支給に係る原材料等を自己の資産として管理しているときは、その原材料等の支給は、資産の譲渡に該当しないこととなります。
支給した原材料の管理を継続
支給した側では、課税売上高に含めない。
支給した原材料の管理を外注先が行う
支給した側では、課税売上高に含める。
その反面、有償支給に係る原材料等についてその支給をした事業者が自己の資産として管理しているときには支給を受ける外注先等側では、原材料等の有償支給は課税仕入れに該当せず、原材料等の有償支給に係る金額を除いた金額が課税売上高に該当します。
原材料の有償支給が課税取引とされる場合の検討項目
次のような項目を検討し、該当する場合は、原材料の支給が課税取引に該当するとされる可能性が高くなります(参考:平7.6.20裁決、裁決事例集No.49 525頁)。
①原材料を支給した際に課税取引として会計処理しているかどうか
②完成品の譲渡を受ける際に課税取引として会計処理しているかどうか
③加工に際して不良品が発生した場合に、原材料、部品等の代金相当額の負担を外注先がしているかどうか
④決算に際して、原材料、部品等の在庫を外注先が計上しているかどうか(支給元は在庫計上していないかどうか)
⑤加工完成品を処分権があるかどうか
⑥納入した完成品の代金と支給した原材料の代金を相殺し、その差額を支払う方法であるかどうか(役務提供代金として支払っていないかどうか)
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