税理士が関与しているクライアント様にはあまり無いことだと思いますが、クライアント様が申告日に不慮の事故や病気により申告書を提出できないなどで、確定申告書の提出期限までに青色申告書を提出できないこともあると思います。
そういった場合、青色欠損金の繰越はできるかどうか確認しました。

青色欠損金の繰越控除の規定

の各事業年度開始の日前九年以内に開始した事業年度において生じた欠損金額がある場合には、当該欠損金額に相当する金額は、所得の金額の計算上、損金の額に算入できます。
ただし、この項の規定により当該事業年度前の事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入されたものや欠損金の繰戻しによる還付の規定を適用した金額は除かれます(法人税法57条1項)。

青色欠損金の繰越控除の適用要件

内国法人が①欠損金額の生じた事業年度について青色申告書である確定申告書を提出し、かつ、②その後において連続して確定申告書を提出している場合であつて③欠損金額の生じた事業年度に係る帳簿書類を財務省令で定めるところにより保存している場合に限り、適用されます(法人税法57条10項)。

欠損金の生じた事業年度において期限後で青色申告書を提出した場合

本題のように、欠損金が生じた事業年度において青色申告書であるものの期限内に提出できなかった場合、①の要件を満たすかどうか疑問になります。
上記のとおり、適用要件は、欠損金の生じた事業年度に青色申告書である確定申告書を提出することですが、確定申告書には期限後確定申告書を含み、青色申告書も確定申告書の規定を参照していることから同様に期限後申告書を含むこととなっております。
結論として、欠損金の生じた事業年度において期限後で青色申告書を提出したとしても①の要件を満たすので、その他の要件を満たせば当該規定は適用できることになります。

(参考条文)

法人税法2条1項 法人税法の定義

31号 確定申告書 第七十四条第一項(確定申告)又は第百四十四条の六第一項若しくは第二項(確定申告)の規定による申告書(当該申告書に係る期限後申告書を含む。)をいう。
37号 青色申告書 第百二十一条(青色申告)(第百四十六条第一項(青色申告)において準用する場合を含む。)の規定により青色の申告書によつて提出する第三十号、第三十一号、第三十三号及び第三十四号に掲げる申告書並びにこれらの申告書に係る修正申告書をいう。

繰越控除年度まで無申告であるが青色欠損金の繰越控除の確定申告書を提出した場合

各事業年度において無申告である事業年度後に(事業停止している、又は故意に無申告など)、青色欠損金の繰越控除の規定の適用を受ける(損金の額に算入する)確定申告書を提出し、後に各事業年度の確定申告をした場合、②の要件を満たすかどうか疑問になります。
上記のとおり、「連続して確定申告書を提出している」必要がありますが、そもそも申告書の提出時点では無申告であるので連続して確定申告書を提出したことにはならず、青色欠損金を損金に算入することはできません。
国税不服審判所事例(平20.3.14、裁決事例集No.75 370頁)においても、繰越欠損金を損金の額に算入しようとする事業年度に係る確定申告書の提出時に、欠損金額が生じた事業年度後の各事業年度について確定申告書が提出済みである必要があるとされています。

要するに、年に一度の申告のような当たり前のこともできない納税者には青色欠損金の繰越控除のような当たり前の規定も適用されないこととなりますので、日常よりルールを遵守した適切な手続きを心がけるようご注意する必要があります。

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