中小企業者等の少額減価償却資産の損金算入の特例

中小企業者等で、青色申告書を提出するものが、減価償却資産でその取得価額が30万円未満であるもの(少額減価償却資産)を取得し、又は製作し、若しくは建設し、かつ、その事業の用に供した場合に、その事業共用事業年度において損金経理をした時は、損金の額に算入するとされています(租税特別措置法67条の5)。
ただし、その事業年度における少額減価償却資産の取得価額の合計額が300万円を超えるときは、300万円に達するまでの少額減価償却資産の取得価額の合計額を限度として適用されます。

かかる税務特例は、減価償却資産を取得した場合に適用されますが、新規に取得した場合の他、拡張した場合や機能付加した場合などの資本的支出の際には適用できるか検討が必要となります。

減価償却の取得とされる資本的支出

内国法人がその保有する固定資産について支出する金額で、次に掲げる金額に該当するものは、その内国法人の損金とすることはできず、減価償却資産の取得価額とされます(法人税法施行令132条)。
その資本的支出は、減価償却資産の種類と耐用年数を同じくする原価償却資産を新たに取得したものとして取り扱われます(法人税法施行令55条①)。

①支出金額のうち、その支出により、減価償却資産の使用可能期間を延長させる部分に対応する金額
②支出金額のうち、その支出により、減価償却資産の価額を増加させる部分に対応する金額

少額減価償却資産の取得等とされない資本的支出

法人が行った資本的支出行い、新たに取得したものとされるものであっても、法人の既に有する減価償却資産につき改良、改造等のために行った支出であることから、原則として、上記《中小企業等の少額減価償却資産の損金算入の特例》に規定する「取得し、又は製作し、若しくは建設し、かつ、その事業の用に供した減価償却資産」に該当しないとされており、適用除外されています(租税特別措置法関係通達(法人税編)関係67の5-3)。

ただし、資本的支出の内容が、例えば、規模の拡張である場合や単独資産としての機能の付加である場合など、実質的に新たな資産を取得したと認められる場合には、同規定を適用することができるものとされています。

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