企業主導型保育事業では、整備費と運営費について2つの助成金が支給されます。

①整備費助成金は、整備費の支出額の3/4相当が支給されます。

②運営費助成金は、運営費の支出額の95%相当が支給されます。

これらの助成金収入がそのまま益金として課税されるのであれば、助成されている政策効果が減殺されてしまうので、税務上は下記のような手当がなされています。

国庫補助金等で取得した固定資産等の圧縮記帳(法人税法42条①)

内国法人(清算中のものを除く。)が、固定資産の取得又は改良に充てるための国又は地方公共団体の補助金又は給付金等(国庫補助金等)の交付を受け、その年度にその国庫補助金等をもつてその交付の目的に適合した固定資産の取得又は改良をした場合(その国庫補助金等の返還を要しないことが当該事業年度終了の時までに確定した場合に限る。)において、その固定資産につき、その取得又は改良に充てた国庫補助金等の額に相当する金額(圧縮限度額)の範囲内で、一定の方法により、その事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入することができます。

圧縮限度額

下記のうちどちらか小さい方となります。

①国庫補助金等の額

②固定資産の実際の取得価額

なお、国庫補助金等の交付に代わるべきものとして固定資産自体の取得をした場合において、その固定資産につき、その固定資産の価額から備忘価額を差し引いた金額が圧縮限度額となります(法人税法42条②)。

記帳要件(法人税法42条43条、法人税法施行令80条)

①その帳簿価額を損金経理により減額する

②その事業年度の確定した決算において積立金として積み立てる

③その事業年度の確定した決算において特別勘定を設ける方法

公益財団法人児童育成協会コメント(HPより)

「企業主導型保育事業のうち固定資産の取得又は改良に充てるための助成金については圧縮記帳が認められます(国税庁に確認済)。」

つまり、国又は地方公共団体の補助金又は給付金等の国庫補助金等に該当すると国税庁から回答を得た旨、コメントされています。

「なお、当該助成金のうち、固定資産の取得又は改良以外に充てられた部分
(旅費、消耗品費及び印刷製本費等)の金額については、所得税法第42 条又は法人税法第42条の規定を適用することはできませんのでご注意ください。」

これについては、整備費助成金のみであることが注意書きされています。

圧縮記帳の処理方法

帳簿価額を損金経理により直接減額する方法(法人税法42条①)

(例)
現預金  10,000,000円 / 国庫補助金収入  10,000,000円。
建物圧縮損 10,000,000円 / 建物 10,000,000円

当該事業年度の確定した決算において積立金として積み立てる方法(法人税法42条①)

(例)
現預金  10,000,000円 / 国庫補助金収入  10,000,000円。
繰越利益剰余金 10,000,000円 / 圧縮積立金 10,000,000円
(注)ただし、税効果会計は適用しないものとします。

確定した決算において特別勘定を設けて損金経理する方法(法人税法43条①)

(例)
現預金  10,000,000円 / 国庫補助金収入  10,000,000円。
圧縮特別勘定繰入損 10,000,000円 / 圧縮特別勘定 10,000,000円

(注)法人税法基本通達10-1-1により、「法第43条《国庫補助金等に係る特別勘定の金額の損金算入等》に規定する特別勘定の経理は、積立金として積み立てる方法のほか、仮受金等として経理する方法によることもできるものとする」、とされており、仮受金等の流動負債項目としての処理も認められています。また、その際には、その旨と金額を貸借対照表に注記することとされています。
(例)現預金  10,000,000円 / 未決算特別勘定  10,000,000円

圧縮記帳後の減価償却資産の取得価額

減価償却の計算の基礎となる減価償却資産の取得価額は、通常、購入した場合は下記のとおりとなっています(法人税法施行令54条①)。
取得価額=当該資産の購入の代価(引取運賃、荷役費、運送保険料、購入手数料、関税など)+事業に供するために直接要した費用の額

しかし、圧縮記帳の規定(法人税法42条から50条までの規定)により損金の額に算入された金額がある場合には、上記の金額から当該損金の額に算入された金額を控除した金額に相当する金額をもって当該資産の同項の規定による取得価額とみなされます(法人税法施行令54条③)。
よって、圧縮記帳後の帳簿価額をもって、減価償却計算を行うこととなります。

企業主導型保育事業の助成金の消費税処理

消費税法基本通達5-2-15によると、事業者が補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律第2条第1項《定義》に掲げる補助金等のように、特定の政策目的の実現を図るための給付金は、資産の譲渡等の対価に該当しないと規定されています。

企業主導型保育の運営費補助金、整備費補助金についても、同様に消費税は不課税として取り扱われることとなります。

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