電子記録債権の会計処理、表示
電子記録債権は、流動性を高めつつ、取引の安全性を確保するために手形債権と同様に原因関係とは独立して発生する金銭債権です。
そのため、手形と同様に、作成、譲渡の際に発生記録や譲渡記録という当事者間の合意以外の行為が必要であり、善意取得や人的抗弁の切断等の効力があります。
その反面、手形のように紙媒体ではなく、電子記録により発生し譲渡され、分割が容易に行えるなど、手形債権と異なる側面があります。
よって、会計処理上は、手形債権に準じて取り扱いつつも、手形と区分処理することが適当であると考えられ、貸借対照表等の表示についても別掲することになっています。
売掛金、買掛金に関して電子記録債権債務が発生した場合
電子記録債権債務は、指名債権とは別に区分掲記します。
電子記録債権 100円 / 売掛金 100円
買掛金 100円 / 電子記録債務 100円
貸付金、借入金に関して電子記録債権債務が発生した場合
貸付金や借入金について、現行の企業会計上、証書貸付や手形貸付等に区分掲記せずに「短期貸付金」勘定等「短期借入金」勘定等として表示していることから、これらに関連して電子記録債権が発生しても手形債権に準じて取り扱うため、科目は振り替えないことになります。
仕訳なし。
固定資産等の売買に関して電子記録債権債務が発生した場合
営業外電子記録債権 100円 / 未収金 100円
貸借対照表注記
譲渡記録により電子記録債権を譲渡する際に、保証記録も行っている場合には、受取手形の割引高又は裏書譲渡高と同様に、財務諸表に注記を行うことになります。
(参考:電子記録債権に係る会計処理及び表示についての実務上の取扱い 実務対応報告第27号)
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