事業譲渡の定義


事業譲渡とは、一般的には、会社がその事業(営業)の全部または一部を譲渡することを言います。

ただし、事業譲渡の意義には争いがあり、旧商法における判例において、営業譲渡とは、「一定の営業目的のため組織化され、有機的一体として機能する財産(得意先関係等の経済的価値のある事実関係を含む。)の全部または重要な一部を譲渡し、これによって、譲渡会社がその財産によって営んでいた営業的活動の全部または重要な一部を譲受人に受け継がせ、譲渡会社がその譲渡の限度に応じ法律上当然に同法25条(現在の商法16条)に定める競業避止義務を負う結果を伴うものをいうもの」と定義されていました。

原則課税の計算


事業譲渡は、事業に係る資産および負債の一切を一括で譲渡する契約なので、譲渡等の対象資産の内訳に着目して、課税資産と非課税資産の譲渡対価に分離することとなります。
契約上の譲渡対価の額を、課税資産の譲渡対価の額と非課税資産の譲渡対価の額に合理的に区分して消費税計算することとなります。

簡易課税の計算


簡易課税においては、事業区分に応じてみなし仕入れ率を用いて消費税計算することとなりますが、上記の課税資産の譲渡対価の額が第四種事業に該当するものとして計算されることとなります。
これは、消費税法基本通達13-2-9(固定資産等の売却収入の事業区分)に、事業者が自己において使用していた固定資産等の譲渡を行う事業は、第四種事業に該当するとされているためです。

私見になりますが、基準期間の課税売上高が5,000万円未満という条件においては、課税仕入のない事業譲渡には簡易課税が有利になることが多いと思われます。

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