令和2年4月20日に閣議決定された新型コロナウイルス感染症緊急経済対策における税制上の措置(案)では、感染症及びその蔓延防止のための措置の影響により厳しい状況下にある納税者に、税制上の特別の措置が施される予定です。

納税猶予の特例


対象者


①新型コロナウイルの影響により、令和2年2⽉以降の任意の1か⽉以上の期間において事業等収入が前年同期比概ね20%以上減少していること
②一時に納税を行うことが困難であること

対象税目


①令和2年2⽉1⽇から令和3年1⽉31⽇までに納期限が到来する 所得税、法⼈税、消費税等の税⽬(印紙税を除く)
②既に納期限が到来している国税、納税猶予手続き中の税目

申請期限


関係法令の施⾏から2か⽉後、⼜は納期限のいずれか遅い⽇までに申請が必要となっています。

欠損金の繰り戻しによる還付の特例


対象者


資本金の額が1億円を超える法人については、青色欠損金の繰戻し還付制度の適 用が停止されていますが、資本金1億円超10億円以下の法人が青色欠損金の繰戻し還付を受けることが可能となります。
(注)ただし、大規模法人(資本金の額が 10 億円を超える法人など)の 100%子会社及び100%グループ内の複数の大規模法人に発行済株式の全部を保有されている 法人等は除く。

対象金額


令和2年2月1日から令和4年1月31日までの間に終了する事業年度に生じた欠損金額

災害損失金の繰り戻しによる還付制度(法人税法80条7⑤)


災害のあった日から同日以後1年を経過する日までの間に終了する各事業年度、又は災害のあった日から同日以後6月を経過する日までの間に終了する中間期間において生じた災害損失欠損金額がある場合には、その事業年度又は中間期間開始の日前1年(青色申告である場合には、前2年)以内に開始したいずれかの還付所得事業年度の法人税額のうち災害損失欠損金額に対応する部分の金額について、還付を請求することができることとされています。

中小企業者等のテレワーク等のための設備投資税制の特例


制度の拡充


中小企業者等が、テレワーク等のための設備の取得等をした場合にも、中小企業経営強化税制を適用し、設備の即時償却、又は設備投資額の7%(資本金が3,000 万円以下の法人は10%)の税額控除の適用を受けることができます。
ただし、設備投資につき経営力向上計画を策定し、経済産業大臣の認定を受ける必要があります。

文化芸術・スポーツイベントを中止等した主催者に対する払戻請求権を放棄した場合の寄附金控除の特例


制度の内容


中止等された文化芸術・スポーツイベントについて、チケットの払い戻しを受けないことを選択された個人または法人は、その金額を寄付とみなし、寄付金控除を受けられることができます。

適用対象


①主催者等からの申請に基づき、文化庁・スポーツ庁が指定したイベントであること
②主催者等から対象イベント認定証明書と払戻請求権放棄証明書を入手したこと
③確定申告の際に、当該証明書を提出すること

特別貸付けに係る金銭消費貸借契約書の印紙税の非課税の特例


公的金融機関や民間金融機関等が、新型コロナウイルス感染症によりその経営に影響を受けた事業者 に対して行う特別な貸付けに係る契約書については、印紙税を非課税とする。

住宅ローン控除の特例


需要変動平準化のための住宅ローン控除の特例の適用


新型コロナウイルス感染症の影響で令和2年12月末までの期限内に入居できない方でも次の要件を満たすことにより控除期間が13年に延長された住宅ローン控除が適用されます。
①新型コロナウイルス感染症の影響によって、注文住宅、分譲住宅、既存住宅又は増改築等を行った住宅への入居が遅れたこと
②令和3年12月31日までに入居していること
③次の期日までに契約が行われていること。
・注文住宅を新築する場合:令和2年9月末
・分譲住宅・既存住宅を取得する場合、増改築等をする場合:令和2年11 月末

既存住宅を取得した際の住宅ローン減税の6か月以内の入居期限要件


既存住宅を取得した際の住宅ローン減税の入居期限要件(取得の日から6ヵ月以内)について、取得後に行った増改築工事等が新型コロナウイルス感染症の影響で遅れ入居が遅れた場合でも、次の要件を満たすことにより入居期限が「増改築等完了の日から6ヵ月以内」となります。
①取得した既存住宅に行った増改築等について、新型コロナウイルス感染症の影響によって、増改築等後の住宅への入居が遅れたこと
②次のいずれかの期日までに増改築等の契約が行われていること。
・既存住宅取得の日から5ヵ月後まで
・関連税制法案の施行の日から2ヵ月後まで

消費税の課税選択の変更申請の特例


消費税の課税事業者を選択する(又はやめる)にあたっては、原則として、その課税 期間の開始前に届出書を提出する必要がありますが、次の要件に該当するときは、税務署に申請し、税務署長の承認を受けることにより、課税期間の開始後であっても、課税事業者を選択する(又はやめる)ことが可能となります。

対象者


①特例に係る法律(案)の施行後に申告期限が到来する課税期間に係る申告であること
②新型コロナウイルス感染症の影響により、令和2年22月21日から令和13年31月31 日までの期間の内、 1ヶ月以上の任意の期間の収入が、前年同期比概ね50%以上減少したこと
③当該課税期間の申告期限までに申請書を提出すること

2年間の継続適用の不適用


当該特例の適用を受け、課税事業者を選択した課税期間の翌課税期間において課税事業者の選択をやめることも可能となっています。

大阪の税理士・会計士なら平野公認会計士・税理士事務所

大阪で税理士、公認会計士をお探しの方は、平野公認会計士・税理士事務所にご連絡ください。

記帳、決算、確定申告の基本的業務以外にも、介護経営・歯科経営コンサルティング、国際税務コンサルティング、企業支援、M&Aコンサルティング、組織再編コンサルティングにも強いのは、平野公認会計士・税理士事務所です。

平野公認会計士・税理士事務所
大阪府大阪市西成区玉出中2-13-32-501

平野公認会計士事務所
大阪市住之江区粉浜1-27-3 リー・アートビル201
TEL : 06-6569-9555
FAX : 06-6569-9445
公認会計士登録番号 第20835号
税理士会登録番号 第114767号