不動産の貸付から生じた所得は、所得税法上、どの所得区分に該当して、どのように所得計算をするか悩まれることだと思います。所得税法上は、下記のように整理されます。

不動産所得

不動産等の貸付けにより生じた所得は、不動産所得になります(所得税法26条)。
具体例は次の通りです。

①不動産の貸付け
②不動産の上に存する権利の貸付け
③船舶又は航空機の貸付け
(注)地上権又は永小作権の設定その他他人に不動産等を使用させることを含みます。

事業所得

事業所得とは、農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業から生じた所得は、事業所得名になります(所得税法27条)。
また、その他の事業には、不動産業が含まれています(所得税法施行令63条①9)。

不動産所得と事業所得の判別

同じ不動産の貸付から生じた所得であっても、その不動産貸付けが事業として行われているかどうかによって、 不動産所得、事業所得の所得区分が変わり、所得金額の計算上の取扱いが異なる場合があります。
ここで、不動産等の貸付けが事業として行われているかどうかについて、社会通念上事業と称するに至る程度の規模で行われているかどうかにより実質的に判断されます。
しかし、建物の貸付けについては、次に掲げる事実のいずれかに該当すれば、原則として事業として行われているものとして取り扱われます(所得税法通達26-9)。

①貸間、アパート等については、貸与することのできる独立した室数がおおむね10以上であること。
②独立家屋の貸付けについては、おおむね5棟以上であること。

所得金額の計算上の相違点

不動産の貸付けが事業として行われている場合とそれ以外の場合の所得金額の計算上の相違点のうち主なものは次のとおりです。

①賃貸用固定資産の取壊し、除却などの資産損失については、事業所得計算の場合は、その全額を必要経費に算入されますが、不動産所得計算の場合は、その年分の資産損失を差し引く前の不動産所得の金額を限度として必要経費に算入されます。
(所得税法51条①、⑤)
②賃貸料等売掛債権の回収不能による貸倒損失については、事業所得計算の場合は、必要経費に算入されますが、不動産所得計算の場合は、収入に計上した年分までさかのぼって、その回収不能に対応する所得がなかったものとして所得計算をやり直します。
③事業専従者控除については、事業所得計算の場合は適用がありますが、不動産所得計算の場合には適用がありません。
④青色申告特別控除については、事業所得計算の場合は最高65万円の控除がとれますが、不動産所得計算の場合は最高10万円のみしか控除されます。

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