役員退職給与

役員につき、任期満了、死亡退任、辞任などにより役員退職金を支給することがありますが、基本的には法人税法上損金に算入されることとなります。
法人税法34条1項においても、役員に対して支給する給与のうち次に掲げる給与に該当しないものの額は、その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない、とされており、逆に解釈すると次に掲げる給与に該当するものは損金の額に算入するとされているからです。
退職給与については、相当な役員退職給与が損金に算入されます。

相当な役員退職給与(法人税法施行令70条①2)

損金に算入される役員退職金とは、内国法人が各事業年度においてその退職した役員に対して支給した退職給与の額が、①業務に従事した期間、②その退職の事情、③同種の事業を営む法人でその事業規模が類似するものの役員に対する退職給与の支給の状況等に照らし、その退職した役員に対する退職給与として相当であると認められる金額を言います。

役員退職給与の損金算入時期

役員退職給与の損金算入の時期は、株主総会の決議等によりその額が具体的に確定した日の属する事業年度とされています(法人税法基本通達9-2-28)。
ただし、法人がその退職給与の額を支払った日の属する事業年度において損金経理をした場合には、支払い時に損金算入されます。
また、退職年金で支給する場合は、支給予定額を一括損金算入するのではなく、年金の支給すべき時期に損金算入されます(法人税法基本通達9-2-29)。

退職給与に係る源泉所得税

居住者に対し国内において役員退職給与(条文上は、退職手当等と記載。)の支払をする者は、その支払の際、その退職手当等について所得税を徴収し、その徴収の日の属する月の翌月十日までに、これを国に納付する必要があります(所得税法199条)。
また、退職給与の受給者の各人別に源泉徴収票2通を作成し、その退職の日以後一月以内に、1通を税務署長に提出し、他の1通を退職手当等の支払を受ける者に交付しなければならないとされています(所得税法226条②)。

退職手当等に対する源泉徴収税額の計算は、退職する人から「退職所得の受給に関する申告書」の提出を受けている場合と受けていない場合とで異なります。

「退職所得の受給に関する申告書」の提出する場合

退職所得に係る源泉徴収税額=((退職手当等支給額-退職控除額)×1/2)×所得税率×1.021
ただし、役員等としての役員等勤続年数が5年以下の者(特定役員等)が、その役員等勤続年数に対応する退職手当等として支払を受けるもの(特定役員退職手当等)については、この残額の2分の1とする措置はありません。

「退職所得の受給に関する申告書」の提出しない場合

退職所得に係る源泉徴収税額=退職手当等支給額×20.42%

死亡退職により役員退職給与を支給する場合

死亡した者に係る退職手当等で、その死亡後に支給期の到来するもののうち相続税法の規定により相続税の課税価格計算の基礎に算入されるもの(死亡後3年以内に確定したもの)については、所得税は課税しないものとされています(所得税法基本通達9-17)。

よって、単純に法人税法上退職給与を支給すれば税金が安くなるというだけではなく、源泉所得税等の計算も含めて検討する必要があります。

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